ドル、下値余地を意識か
今週の為替相場は、ドルの下値余地を意識する展開が予想されます。
米中で貿易問題を巡る摩擦が強まる中で、今度は米国は一方的にメキシコ製品に対する追加関税をかけることになりました。
メキシコはもちろん、米国内でも今回の追加関税に対し批判的な声が出ています。
米国への不法移民に対する報復としての追加関税の色合いが強いだけに、色々なところで、今回の追加関税に対しては批判が出ているようです。
為替市場では、こうしたトランプ政権の政策に対し、ドル売りで対応する動きが出ており、リスク回避の円買い、スイスフラン買いが目立っています。
ドルも、本来ならリスク回避のドル買いという動きが出ているのですが、円買い、スイスフラン買いが久しぶりに見られた感じです。
また、中国は米国の追加関税を受けて6月1日から米国製品に対する追加関税を実施しました。
米中の追加関税合戦だけでも国際金融市場に対する影響は大きいのですが、今回、それにメキシコにも追加関税を発動したことで、米国を巡る不透明感が一気に、大きな材料になっています。
今後は、中国に対する圧力はもちろん、対日貿易交渉も本格化するなど、米国を中心に貿易問題を巡る緊張感が一気に高まっていく可能性が出ています。
トランプ大統領の発言が今後の大きなテーマになりそうです。
この中、欧州では英国のEU離脱問題はもちろん、EU参加各国で国内政治の不透明感が材料視されることになりそうです。
国内政局が国際金融市場に与える悪影響を注視したいと思います。
また、欧州ではECBの金融決定会合が開催されますが、金融政策の変更はないと思います。
ただ、先行きの金融政策について、言及があると考えますので、どのような発言を行うのかを注目したいと考えています。
円は、リスク回避の動きが想定されることで、急激な円高の進展には注意が必要だと思います。
予想レンジは、ドル円が104.20~110.20円、ユーロ円が116.20~122.20円、英ポンド円が132.20~138.20円、豪ドル円が72.20~78.20円。