米欧の金利動向を注目か

今週の為替相場は、米欧の金利動向を注目す恵右展開が予想されます。



FRB議長が利下げを行うのをためらわないと発言、早ければ今月のFOMCでの利下げを意識する声が出始めています。



これまでは、米国の年内利上げは遠のいたとの見方が強かったのですが、FRB議長の発言後は早くもFRBは利下げに舵を切ったのではないかとの見方が強まっています。



もちろん、米中貿易摩擦の流れの中で、米国内経済が減速するとの読みが、利下げに比重をかけた発言に繋がっているわけですが、そうした材料が経済指標発表で出てくれば、意外に早めの利下げがあるかも知れません。



経済危機に前もって対応する未然防止の利下げという、米国としては異例な対応を図ることが想定されているわけです。



米国の利下げは、トランプ米大統領が早期の利下げを主張していました、これに対し、FRBは冷静な対応を繰り返していました。



トランプ大統領に言われて利下げをしましたということはできないと思いますが、FRBが注視している経済指標の悪化が出始めてきたら、FRBは間髪を入れずに利下げを実施する、その選択肢は強いと思います。



一方、米国の利上げを追いかけてきた欧州でも、緩和の中止を意識し、再緩和を行う余地があることを指摘し始めています。



少なくとも、年内には利上げを実施するのではないかとみられていましたが、来年の春ごろまでに利上げを延期するという発言が出ています。



欧州では、イタリアを始め、国内経済が低迷していることがあり、本音では米国に追随する利上げに懐疑的な声も出ていましたが、国内経済が好調なドイツをはじめ、利上げを指示する声がユーロ圏内で強かったことで、やむなく利上げに舵を切っていたという雰囲気も出ていました。



今回は、米中貿易摩擦の影響が国際経済に悪影響を与えていることで、好調だったドイツ経済も一服状態になったことで、欧州としても緩和策に転換することは難しくないと考えています。



また、英国のEU離脱に伴う混乱がいまだに改称していません。



10月ぐらいまで、英国のEU離脱を巡る混乱が続くとみられるだけに、ユーロ圏の緩和再開は経済に良い影響を与えるのではないかとも見ています。



今週は、こうした各地域、各国の思惑を見極めながら、米国を中心とした貿易摩擦の影響を確認する相場が続くのではないかと思います。



予想レンジは、ドル円104.20110.20円、ユーロ円が117.20124.20円、英ポンド円が132.20139.20円、豪ドル円70.2077.20円。