ドル円110円の攻防

今週の為替相場は、ドルが110円に乗せてキープできるのか否か、その攻防を見極める動きとなるかと思います。



米国では、先のFOMCで今年半ばまでの利上げはないとの見方が浮上しています。



経済状況等を勘案して、FRBが利上げをストップしたことを明言したこともあり、米国の利上げは一休みと読む声が支配的となっています。



為替市場では、この動きを睨んでドルが小緩む動きが出ました。



米国が利上げを一休みするなら、金利面でのドルの支援材料はなくなったという見方が広がったのです。



ところが、週末に発表された米雇用統計では非農業部門の新規雇用者が34万人に乗せたことで、米景気が堅調な動きを続けているとの読みからドルが買い戻される動きを見せています。



市場では、米国の利上げ見送りについては、一応、織り込んだ状態との見方が支配的で、むしろ米雇用統計で新規雇用者が市場の予想を上回る数字となったことがサプライズとなって、ドルを買い戻す動きが強まった指摘する声が聞かれています。



もちろん、失業率が4.0%に上昇したことなど、必ずしも両手を挙げて雇用統計は強かったという見方は危ういのですが、足元の米経済指標が堅調なことも事実で、この流れの中で、欧州や日本、その他地域の中でも、米国の経済の優位性は揺るがないとの見方が支配的になっているようです。



この流れを、今週も引き継ぎ、米経済の堅調な動きがいつまで続くのか、米政府機関の閉鎖の悪影響をあまり受けていない、そんな数字が続くと、ドルを買ってみたい動きが強まるのではないか、そんな見方も出来るかと思います。



この中、米中貿易問題、米朝首脳会議など、米国を取り巻く動きが気掛かりですが、その流れで予想外のことが起これば、それなりに影響を与えるものと思います。



ドルが110円に乗せて、安定するのか否か、それを確認するものと考えます。



予想レンジは、ドル円107.120112.20円、ユーロ円が122.20128.20円、英ポンド円が139.20145.20円、豪ドル円76.2082.20円。