リスク回避の動きを注目へ
今週の為替相場は、リスク回避の動きを注目する動きが継続するものと思われます。
ドル円相場は、米国の金利引き下げが確実視される中で、米長期金利の低下やイランと米国の緊張激化を材料に、ドル売り・円買いが強まる展開となりました。
特に、米国の利下げについては年内に2回の利下げが実施されるとの現実的な見方が台頭したことで、米長期金利の低下がドル売りにつながる動きを見せました。
また、イランと米国の緊張激化では、戦争になる可能性もあるとの見方が強まり、リスク回避の円買いが強まり、円は対ドルで一時107.05円まで円が上昇する動きとなりました。
米国がイラン爆撃寸前まで実施する動きが出たこともリスク回避の動きを強める結果となりました。
結果的には攻撃5分前に攻撃中止をトランプ米大統領が命じたことで、事無きを得ましたが、いつ戦端が開かれるか、偶発的な衝突の可能性もあるので、イラン・米関係は中止する必要があるかも知れません。
また、6月28、29日には大阪でG20首脳会議が開催されます。
ここでは、米中首脳会談が予定されるなど、米中貿易摩擦問題で、大きな進展があるのか、あるいは問題の解決が先送りになるのか、注目されています。
大きな進展があれば、ドル売りに歯止めがかかり、ドルが買い戻される可能性もありますが、基本的な面で、米中の合意が得られにくい動きとなっていることで、問題は先送りとなった場合です。
米中貿易問題もリスク回避の円買いにつながる可能性があるわけです。
イラン・米問題もリスク回避の円買いにつながる可能性があるわけで、円買いの芽は払拭されていません。
G20を控えて、こうした動きが為替市場に大きな影響を与えると思われ、引き続き、リスク回避の円買いの動きには要注意だと考えています。
予想レンジは、ドル円が104.20~109.20円、ユーロ円が118.20~124.20円、英ポンド円が132.20~139.20円、豪ドル円が78.20~76.20円。