米FOMC、年内利上げ見込まず

米連邦準備制度理事会(FRB)は20日連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内は利上げを行わないとの見通しを示しました。
これまでは今年2回の利上げを想定されていましたが、景気減速への警戒を一段と強めています。
また、金融危機後の量的緩和で膨らんだ保有資産の圧縮は、9月末に終了します。
政策金利は、年2.25~2.50%に据え置くことを全会一致で決めました。
FRBは声明で、個人消費などの伸び鈍化を踏まえ、「経済活動の成長ペースが減速した」と指摘し、「底堅いペースで拡大」としていた前回から判断を下方修正しました。
パウエル議長は記者会見で、政策金利の変更は「データが必要性を示していない」と述べ、状況を「忍耐強く」見極める姿勢を強調し、2015年末に始めた金融引き締め局面が最終段階にあることをにじませました。
また、同議長は「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は非常に強い」としながらも、中国や欧州経済の減速、貿易摩擦などが及ぼすリスクに言及し、経済成長率の見通しは、2019年が2.1%(昨年12月時点は2.3%)、2020年が1.9%(同2.0%)に引き下げました。
インフレ率の予想も下方修正しています。
この中、FOMC参加者17人が示した今後の政策金利の見通しは、「年内据え置き」が11人で昨年12月時点の2人から大幅に増加し、「1回以上の利上げ」は15人から6人に減りました。
2020年に1回引き上げて利上げ局面を終了する想定は維持しましたが、引き締めのハードルが高くなったとの認識が広がりました。