ドラギECB総裁、物価回復に決意、「インフレ低調なら再度緩和」

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は18日、物価の伸びが低迷し、目標を達成できない状況が続いた場合、ECBは利下げや資産買い入れなどの金融緩和を再度行うと明言し、物価押し上げへの決意を表明しました。
ECBは4年近くに及んだ量的緩和(QE)を昨年末終了させたばかりですが、足元の金利は過去最低水準にとどまっているほか、バランスシートは4.7兆ユーロに膨らんでいます。
ドラギ総裁はポルトガルのシントラで開催されたECBの年次会議で「改善がなく、インフレ率が持続的に目標に戻る動きが脅かされれば、追加的な刺激が必要になる」と指摘し、その上で「責務達成に向け、責務の範囲内であらゆる柔軟性を活用する。将来、物価の安定に課題が生じた際も同様に活用する」と明言しました。
「金融政策は引き続き目標達成にコミットしており、過度に低いインフレ率に甘んじるものではない」とも強調しました。
政策手段については、一段の利下げや金利ガイダンスの調整が可能であるほか、追加の資産買い入れも依然「かなりの余地」があると発言し、「政策金利の一段の引き下げと副作用抑制措置は、依然としてわれわれのツールの一部だ」と語りました。
またマイナス金利の副作用を抑えるための措置を取ることも可能とし、金利階層化に含みを残しています。
さらに、成長のリスクは下向きに傾いており、先行きに関する指標もさえない中、「今後数週間」かけて種々の選択肢を検討すると表明し、ECBとして比較的早期に行動する可能性を示唆しました。